事前調査や修理前撮影、ドライクリーニングを行なってから下記の要領で作業を行なう。
張付け画
- 現場に於いて、四分一縁を取除き、本紙を下地よりめくる。
- 本紙の絵具の剥落止めを膠水にて充分に施す。
- 本紙の元の裏打紙を除去し、出来るだけ薄くした後、似寄りの補修紙にて損傷部分を補修する。
- 本紙の裂傷や脆弱個所には折伏を施して補強補修する。
- 美濃紙にて肌裏打、増裏打を施す。
- 補修個所には附近の地色に合わせて補彩を施す。
- 下地は白太杉を用いて新調する。
- 下地の下張りとしては次の順序にて行い良く乾燥させる。
(骨しばり、胴掛け、蓑掛け、蓑しばり、うけかけ)
- 下張りの出来た下地に充分乾燥させていた本紙を張りあげる。
- 四分一縁を本紙の周囲に取付け仕上げる。
襖絵
- 本紙の絵具の剥落止めを膠水にて充分に施す。
- 襖椽(襲木)、引手金具を取除き、本紙を下地よりめくり解装する。
- 本紙の元の裏打紙を除去し、出来るだけ薄くした後、似寄りの補修紙にて損傷部分を補修する。
- 本紙の裂傷や脆弱個所には折伏を施して補強補修する。
- 美濃紙にて肌裏打、増裏打を施す。
- 補修個所には附近の地色に合わせて補彩を施す。
- 下地は白太杉を用いて新調する。襖椽(襲木)は手入れ、清拭して再用するが、損傷が激しい場合は新調する。
- 下地の下張りとしては次の順序にて行い良く乾燥させる。
(骨しばり、胴掛け、蓑掛け、蓑しばり、うけかけ)
- 下張りの出来た下地に充分乾燥させていた本紙を張りあげる。
- 椽(襲木)を下地に取付ける。
- 引手金具は清浄にして再用し、旧来通りの襖に取り付け仕上げる。
天井板絵
- 本紙の絵具の剥落止めを膠水にて充分に施す。
- 本紙を下地板よりめくり解装する。
- 本紙の元の裏打紙を除去し、出来るだけ薄くした後、似寄りの補修紙にて損傷部分を補修する。
- 本紙の裂傷や脆弱個所には折伏を施して、補強補修する。
- 美濃紙にて肌裏打、増裏を施す。
- 補修個所には附近の地色に合わせて補彩を施す。
- 天井下地の湾曲や歪みの癖を出来るだけ矯正して、従来の鉄鋲を打ち替え、また桟の弛みを裏面より補強する。
- 手入れの終了した下地には、順次乾燥させながら次の順序にて下張りをおこなう。
(目張り、骨縛り、蓑掛け、蓑縛り、受掛け)
- 下張りの出来た下地に、充分乾燥させていた本紙を張り付け仕上げる。
最終的には修理完成総点検のあと、修理後写真撮影を行い作業完了とする。